• 雑談

    バランスについて考える

    会社で作業をしていると、ああしたほうが良いのではないか、とか、こうした方がやりやすいのではないか、という話がよく出てきます。その都度「ああそうだな」と納得するのですが、それが実際に形になる事は、ほぼありません。本当に困っていることであれば、みんなが声を大にして、管理者に訴えます。その結果、対策を施してもらえる、という流れです。他の企業もだいたい似たような感じだと想像します。結局、困っている事のほとんどは、そのままでも問題がなく、それを改善したところで、たいして影響はないのかもしれません。全てを改善すれば、大きな効果が生れることは間違いないでしょう。それにより、会社が得をするのか、従業員が得をするのか、という部分が違ってくると思います。会社が得をする、というのは即ち利益に繋がるということです。従業員が得をするというのは、作業が楽になって、時間にゆとりができた、というものですね。後者は、会社から見れば、従業員の手持ち無沙汰の時間が増えただけで、そのゆとりの出来た時間を生産に充てるなり、営業に充てるなり、利益に還元してほしいという気持ちがあるはずです。しかし、大抵は、時間にゆとりが欲しい、という欲求が働くため、余計な仕事を増やしてほしくない、という気持ちも当然あるのでしょう。その辺りはバランスが必要になるのかもしれません。あまり負荷を掛けてしまうと、身体の調子が悪くなってしまいます。ほどほどに働くのが、やはり一番だな、と感じる今日この頃。最近は、新製品の開発のため、新しい作業が増えています。開発段階では、順調だったようですが、いざ、現場で製造してみると、生産量にバラツキが出たり、品質が規格外となったりで、なかなか軌道に乗る事ができません。開発者は、そういったデータを集めて、さらに分析しています。まだまだ、予測できていない部分があり、それに対する対策案も予め検討しなければなりませんから、大変だと思います。現場の作業者によって、やり方が違うのかもしれませんが、手順書が作成されていて、それに従って作業している筈ですから、やり方は同じなのです。ただ、何か見落としているポイントがあって、まだ誰もそこに気付いていない、ということだろうな、とぼんやりと考えていました。しかし、それに気づいても声に出す必要があるのか。そんな時、僕は判断に迷う事があります。経験上、そういう時は口を閉じていたほうが、身のためになる、という事を学んできました。口は災いの元、というか、沈黙は金、というか、言わぬが花でしょうか。出しゃばるようなつもりは無くても、そう思われる事がありますから、控えめにしよう、と心掛けています。その結果、コミュニケーション嫌いになりましたけれど。

    つぶらな瞳