教会,  歴史

節理

ここに、神の摂理を説いた先達のことばを記す。原子病という聞きなれぬ病と闘い、二人の幼子を孤児として残すまいとする、その歩みはとても励まされる。

その信仰により、多くの人を「永遠の救い」へと導いたことであろう。令和の時代において、「平和」ということばの意味を、新たにしたい次第である。

―主与えたまい、主取りたまい、主の御名は常に賛美せられよ!

元来私は無より神の愛によって創造された。母の胎内に宿った時が私の創造であった。その時以来今日に至るまで、私の得たすべての者は皆神の与えたもうたところである。健康、才能、地位、財産、家族など、すべて元来私の所有ではなかった。だからいつどこで、これらのものを取り上げなさっても、私が損をするわけでもなく、また得をする訳でもない。別に嘆き悲しむには当たらない。御節理のままにお任せするのが当りまえである。そして御節理は常に感謝し賛美せられるべきものである。なぜなら、神は愛する一人の人間を創造になった。それが私だったからである。神は私を愛したくて、私を創造なさった、神に悪意の創造はない。神は常に私を愛し、絶えず私の幸福を願っておられる。与えたものが愛の思し召しによるものであると同じく、取りたもううのも愛の思し召しによる。私の身の回りに起こるすべては、神の愛の節理の表れである。それゆえ私はいかなる目にあおうとも、神の御名を賛美せずにはおられない。

「この子を残して」 永井 隆 著 中央出版社