
陽気につられて
一日を通じてとても気持ちの良い天気でした。日差しがとても暖かく、冬の一日とは思えないほど快適でした。早朝はそれこそ氷点下でしたが、太陽が昇り、日光が降り注ぐと、気温がみるみる内に上昇して、正午には12度を超えました。体感温度は、15度以上でしたね。風もそれほど冷たくなくて、日光を浴びた顔が、少しヒリヒリするほどでした。奥様と長女は出かけたので、次女とお留守番でした。午前中は読書。読み応えのある書物ですが、佳境に迫ってきているので、一気に読んでしまおう、という目論見です。次女は、一人でおままごとや折り紙、キーボードなどで楽しんでいました。お互いに文化的な営みをして過ごせたようで、これも天の恵みだと感謝ですね。昼食を済ませたら散歩しよう、と提案したら、快諾したので、周辺のお決まりルートを二人で歩きました。自宅を出て、右方向に回ってくるので「時計回りのコース」と僕は呼んでいます(他には誰も言いませんけれど)。木曽川が、アパート駐車場から道路を挟んで、すぐ向こう側を流れているので、その木曽川を眺めつつ、ゆっくりと歩を進めました。途中で、川に降りていく階段があるのですが、そこもお決まりのルートです。その階段を降りると、地元の人が洗濯や野菜を洗う水場があります。活性炭フィルタを置いて、ろ過しているようです。その水が流れる部分は、幾つかの溜枡(タメマス)から成り、高低差を活かして、水が川に流れていきます。その溜枡の入り口と出口は狭くなっており、そこに活性炭フィルタを置いています。縁取りは、タイルで彩られており、その淵に乗って遊ぶのが、子供たちの楽しみのようです。縁の枠は、幅15cmくらいで、地面から10㎝くらい高くなっており、その上を歩く事で、平均台の様にバランス感覚を養うのに適しています。この冬時に、足を滑らせて溜枡の中に落ちたらどうしよう、という心配はありますが、川に落ちるよりは救いようがある、と自分に言い聞かせています。足が濡れるくらいですから、笑い話で済む事でしょう。川に落ちたら、笑いごとでは済まされません。その川は、昼下がりの日光浴で、水面をキラキラさせて、観るものを楽しませてくれているようでした。水の中を覗けば、大きな魚(鯉でしょうか?)がのんびりと泳いでいます。鳥は水面ギリギリを滑空し、獲物を獲るのかと思えば、ジェットコースターのように上昇し、そのまま気流に乗って飛んでいきました。全てが優しく見えました。川で遊び終わったら、次は神社に併設されている公園に行きました。小学生の男子二人が遊んでいましたが、何やら土を掘っては、見つけているようでした。声を掛けようかと思いましたが、思いとどまって、見守る事としました。次女は、雲梯、ブランコ、鉄棒と遊び、最後にシーソーで締めとしました。シーソーは、一緒に乗りましたが、体重差がある事と、地面に埋められているタイヤがあまり役に立たず、僕の座っている部分が落下した時、衝撃がハンパないのです。数回で耐えられなくなり、シーソーの中央付近に立った状態で、丁度良い部分を探して、体重移動だけで娘が座っている方を上下させました。これは非常に楽ですし、ちょっとしたエクササイズになりました。時折、公園の側道を通る人が、怪訝そうに眺めていましたが、やましい事はないので、気に留めずに遊びました。ブランコは、数年前に安全対策で、昔ながらの1枚板のものではなく、おしりをすっぽり囲うような、パンツ型に変更されました。対象年齢は6歳までと書かれています。それに1人で座ろうと思ったら、足を掛け、チェーンに捕まり、よじ登ならければなりません。5歳の娘でさえ、簡単ではありません。最初から、誰かの介助ありきのデザインなのです。きっと、落下事故でまた訴えられることでしょう。何だか淋しさを覚える部分ではありますが、これも時代の流れと受け止めるしかありません。ブランコで、どこまで遠くに飛べるかを競い合ったのは、もう30年近く前。その純粋さを失っていないだろうか、と考えさせられる散歩となりました。
