• 散歩

    歩くということ

    沖縄滞在二日目になります。所用でホテルから10km離れた施設にバスで訪れました。今回で二回目です。メインは劇場で、あとは展示場や会議場があり、多くの人が集う場所であることは間違いありません。建物の外観は、沖縄らしいというか、屋根が独特のカーブを描いており、先端は何やら不思議な装飾が施されています。間取りでは二階建てとなっていますが、一階が半地下となっているので、少し大きな一階建てのように見えます。そこで所用を済ませてから、ホテルに帰ることになるのですが、前回はレンタルサイクルで往復しました。片道30分ほどでしたから、時速20kmですか。結構飛ばしていますね。クロスバイクを借りたので、それなりにスピードは出ます。20kmは余裕ですね。あとは信号と道路の複雑さで時間が大きく変わりますが、大きな国道をひたすら走るようなルートですから、平均時速20kmが実現できたのではないかと思います。普通の街中ではありえないです。危険ですからね。それで、今回はその施設までバスで来ましたから、帰りはまたバスか、タクシーか、自転車を借りて、ホテルの近くで返却するか、歩くか、という選択肢がありました。四十路間近にして、何を思ったか、歩く、という選択肢を取ってしまいました。何を考えているのでしょう。目的が全く無い訳ではありませんが、ただ海を眺めながらボンヤリ歩けたらな、くらいの願望でした。それを実現するために、肉体的にとても辛い思いをすることになろうとは。結果から言うと、海沿いの道は2kmほどありました。海水がキレイで眺めも良かったのですが、いかんせん、曇り空でした。晴れたら最高のウォーキングとなったことでしょう。残り8kmの道程は、ビルが立ち並ぶ大通りや、こじんまりとした住宅街ばかりで、交通量が多く、吸い込む空気が美味しくありませんでした。何か混じっているような感じがしました。海の近くだからでしょうか?住宅街を歩いて気づいたのは、当たり前かもしれませんが、木造建築が全く見当たらない、ということです。台風の通り道として名高い沖縄県ですが、木造住宅は、強度に関してそれほど弱くないと思っていました。しかし、こうして実際にコンクリート造の住宅ばかりが立ち並ぶと、木造では耐えられないのかな、という印象を受けてしまいました。少し調べてみると、戦後に米軍が持ち込んだ2×4材の木造住宅は、強度がなく、台風に耐えられるものではなかったそうです。すぐさまRC造の建物に立て替えた、という経緯があり、沖縄で木造住宅は向かないというイメージが固着してしまったようです。多くのコンクリートの建物は、壁面が変色しており、言葉が悪いですが、みすぼらしい雰囲気となっていました。海も近いし仕方のない部分だと思いますが、これが木造住宅であれば、また違った雰囲気だったことでしょう。そして、建物だけでなく、道路の状態が少し気になりました。メインの国道はキレイで管理が行き届いているのですが、県道や裏路地になると、歩道、道路ともに荒れ放題でした。アスファルトを敷いてから一度も手入れしていないのではないか、と思われるくらいです。内政的に難しい状態であるかと想像しますが、インフラがこれだけ荒れていると少し心配になります。今後の変化に期待するしかありませんね。もうしばらく訪れることはないでしょうけれど、遠方から時折思いを馳せることになるでしょう。本日も写真はありません。