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便利さが呼んだ品雑さ
会社では、実に様々な情報システムが使われている事に、改めて気付きました。僕が把握しているだけでも、10個はあるのではないでしょうか。それぞれが、アプリケーションとして独立していて、繋がりは無いようです。つまり、それぞれに対して、操作方法を示す必要があり、また、操作方法を理解する必要があります。これって、便利になっているのでしょうか?確かに、一つ一つを見ていけば、昔ながらの紙ベースでのやり取りに比べてミスが減り、資源も節約できることでしょう。しかし、それらを全てまとめて考えた場合に、各々が全く異なるインターフェースであるため、管理は品雑になり、ミスが増えたり、処理に時間がかかるようになっています。処理に時間がかかる、というのは、ある電子的な申請を行うと上司や関連者の承認が必要となります。紙であれば、捺印を順番にしましたが、電子伝票だと、各々がアプリを開き、承認ボタンをクリックする必要があります。当然、承認ルートには順番が存在し、誰かが忘れれば、何時までも次に回りません。これって、本質的に何も変わっていないですよね。僕は今まで、情報技術の導入は、必ずポジティブであると考えてきました。もちろん、それなりの適材適所はありますが、それは導入前に検討されるべき課題であり、その設計に注力すれば、ある程度のモノはできるはず。そして、多くの作業が簡素化されて、手間が減るものだと思っていたのです。しかし、これは間違いだったのかもしれません。情報システムも結局は人間を介しているので、根本的な作業改善に必ずしも結び付くわけではないようです。もちろん、莫大な効果があるシステムだってあるわけです。その一例は勤怠管理システムで、これの導入により、事務員さんの仕事は大幅に削減されました。また、労働時間の管理が適切に行われるようになりました。これは、大きな成果だと言えます。今後は、既存システムの見直しが段階的に行われるはず。その時に、少しでも口出しできれば、と思いますが、果たして声がかかるかどうか、というところです。期待はしていません。期待すると、後で痛い思いをしますからね。