雑談

あくせく働く

「あくせく」という言葉は使われなくなっているようですが、その音の響きは面白いものです。調べて見ると、「あくさく」「あくせく」「あくそく」の音があり、漢字では「齷齪」という難しさ全開の字面となります。この漢字を見ると、二文字目の右側つくりが足ですから、「あくそく」が元々の音かな、とも考えられます。へんの「齒」は「歯」の難しいバージョンで、「はへん」というのですね。ふむふむ。「齟齬(そご)」という字も使われていますから、何かしら歯に係る言葉なのでしょう。顎が疲れるようなイメージが浮かび上がります。あくせく働く、と聞くと、一所懸命に作業しており、ポジティブな印象を受けがちですが、意味的には「余裕がないさま」でありますから、個人的には「みっともない」という意味に近いのかな、と。そういう意味でこの言葉が廃れてきたのは、悪い事ではないのかも。「働き方改革」という新手の言葉が出てきましたから、そちらのほうが新進気鋭でしょうし。しかしながら、本日は作業をひたすら続けていたので、「あくせく」働いてしまいました。もう少し余裕を持った仕事ができるように精進したいものです。