目が合ったら動けない
幼少期、山の中で自由に遊びまわっていましたが、様々な動物に遭遇しました。カエルは、大きなウシガエルが印象に残っています。梅雨の時期だったでしょうか。家の近くにある池で遊んでいると、何か大きな物体が視界に入り、よく見たら、ウシガエルでした。目が合って、お互い暫く動きませんでした。僕は、怖くなって後ずさりして、その場を離れました。子供心ながら、目を逸らしたら危険だ、と感じたのでしょう。よくよく考えて見ると、後ろ向きで歩いたほうが危険です。切り株や石に躓いて転倒する可能性が高いですからね。蛇では、マムシに噛まれたら大変だから気を付けなさい、と注意を受けていましたが、一度だけ、遭遇したことがあり、その時も、カエルを見た池の近くです。僕が歩いていたら、視線の先から現れました。正面衝突の寸前です。立ち止まると向こうも止まり、身体の半分くらいを宙に浮かべ、舌を出しながら威嚇してきました。この時は本当に怖かった。動きを取る事ができませんでした。ずっと、マムシの動向を見つめて、走り去るタイミングを計っていましたが、完全にすくんでしまいました。絶体絶命のピンチだ、どうしようか、とドキドキしていたら、意外にもマムシがあっさりと消えてくれました。子供を襲っても仕方がない、とでも思ったのでしょうか。それ以来、蛇を見るだけで身体が緊張してしまいます。コンプレックスですね。他には、小学校の下校中にサルを見たことがあります。最近では、食料確保のために山から下りてきて民家を荒らすようですが、30年前では珍しい事だったと思います。周りの人に聞いても、サルを見た人は少なかったですし。山の中の道路を歩いていて、右手が山で、左手が崖になっていて、その崖の下(20mくらい?)は川が流れていました。サルは、右手の山から物凄いスピードで現れて、道路の中央でこちらに気付いたのか、急停止し、目を合わせました。と、思ったらすぐに崖の方へ消えていきました。その後、恐る恐る道路を歩いて帰宅しましたが、襲われなくて何よりでした。もしかしたら、集団でいたかもしれませんし。サルはそれ以来、その地域では遭遇していませんね。最もインパクトがあったのは、ニホンカモシカです。山の中を探索中、山間を流れている、幅が2~3mほどの川にたどり着き、その川沿いに歩いていると「ガワガサッ!」と大きな物音を立てて何かが山の上から、川の反対側に降りてきました。立派な角が2本。こちらを真っすぐに見つめ、凛とした姿を披露していました。5秒くらいは、静止状態が続いたでしょうか。そして、あっという間に山を駆け上っていきました。ハリーポッターのワンシーンで、対岸に立派なトナカイ(?)が現れるシーンがありますが、まさに、その映像です。魔法を唱えた訳ではありませんが、それ以来、友人から「カモシカの足」とあだ名を付けられました。これは、最高に名誉なあだ名だと自分では思っています。あのニホンカモシカのような、凛とした立ち居振る舞いができたらいいな、と夢見た少年は、今や40歳。猫背でブログを書いております。