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そして種だけが残った
少し前に合格した試験があるのですが、今はそのワンランク上の試験の勉強を進めています。出題範囲は変わらず、より詳細な知識が問われます。つまり、より莫大な知識量が問われるわけですが、僕の様に記憶容量が少ない人間にとっては、かなり難易度が高いと言えます。事実、前回の試験で理解した(と錯覚していた)内容は、既に失われつつあり、同様の問題に解答することができません。ただ、やたらと略語が使われる分野で、ローマ字3文字の組み合わせが頻出してくるのです。その意味を考えると、解ける問題が多いのですが、3文字なら3文字とも何の頭文字であるかを精確に記憶しなければ、全く役に立ちません。問題によっては雰囲気で解答できる部分もありますが、それではちょっと実用的ではありません。やはり「実」がなければ、資格というのは生きてこないのではないでしょうか。略語で例えば「ABS」があるとしましょう。有名なのは言わずもがな「Anti-lock Brake System」ですね。もう一つ、割と製造業で知られる「ABS樹脂」というものが存在します。これはオモチャに使われていたりします。レゴブロックが判りやすいですね。他には「American Bowling Service」という、スポーツのボーリングに関するサービスを提供している会社が存在するようです。これは初めて知りましたけど。このように、同じ略語でも、使われる場面によっては全く異なる意味を持つものが多数存在します。しかも、同じ分野の中で、似たような略語ばかりが並ぶと、もう複雑すぎて手に負えません(脳に負えないが正しい?)。かといって、文句を言ってばかりでは試験に受からないので、仕方なく反復して記憶領域に詰め込むしかありません。詰め込むという事は、それだけ押し出される情報があるという事に他なりません。なんと悲しい現実。できれば残しておきたい情報だってあるのに、どうでも良さそうな情報が残って、勉強によって埋め込まれた情報ほど、早く押しだされていく確率が高いようです。それだけ、生活に密着していない、つまり「実」ではないからでしょう。せめて、コンピュータの補助記憶装置みたいに、自分で選択してゴミ箱に捨てることができたらな、とあらぬ妄想を抱いていまします。問題の中には、名詞がほぼ略語で構成される場合もあります。それを知っている人たちにとっては、合理的な伝達ですが、知らなければ、チンプンカンプンです。その辺りの思想が、あまり好きではありません。もちろん、好き嫌いがまかり通るほど甘くはありませんが・・・略語ばかりだと、なんだか慌てているようで、少しみっともないような気がします。冗長でも良いから、ゆったりとした伝達で、コミュニケーションを取っていきたいですね。出現頻度の高い文字に「T」があります。これが意味するのはほとんどが「Text」「Time」「Transform」「Transmission」のいずれかになります。略語を見て記憶から捻出できなければ、文面から該当しそうな単語を選択します。この作業にかなり時間を取られます。最初から略さずに記載してくれれば、どれだけありがたいことか。それのせいで本が厚くなって価格が高くなったり、情報量が増えて単価が上がったりしても、僕は何も文句は言いません。むしろ、精確な伝達を目指すのであれば、略さない方が賢明だと思います。と、ここでどれだけ文句を言っても仕方ありません。今後もぎゅうぎゅうに詰め込むことでしょう。
雲でも眺めてみましょう