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ムンムンムーンの独り言
月を見上げる時に思う事は、ウサギは一体全体、どこにいるのだろうか、という事です。(錯覚ですが)満月で大きく見える時、影がくっきりと浮かび上がりますが、どうしても、ただの影にしか見えません。子供心がもう少し残っていれば、様々な形を見出し、ストーリィを思い浮かべるのでしょうけれど、全くアイデアが浮かんできません。そんな自分に幻滅してしまうのが、満月の夜、という訳です。この月のウサギにまつわる話は、とても悲しいもので、今だと動物愛護団体が黙っていないような内容です。そこまで考えてしまう発想は、面白いというよりも、やや恐ろしいというか、精神的に不安定か?と思わされます。しかし、言い伝えとして残されてきたという事は、それなりの支持を得てきた、という証拠でもありますから、まんざらでもないということでしょう(何が?)。もう少し、明るいお話でも良かったのでは、と残念でなりません。例えば、こんな話はどうでしょう。「昔々、あるところに病気がちなおじいさんが住んでいました。そのおじいさんは1匹のウサギを飼っていました。そのウサギは、満月の夜になると、いつもおじいさんの知らないうちに何処かに行ってしまい、朝になると帰ってくるのです。そして、その日の朝は、必ず、おじいさんの家の玄関には、お餅が置かれていました。それを知らないおじいさんは、「どなたか存じませんが、かたじけない」と感謝をして、過ごしていました。ある満月の夜、おじいさんは、夜中に目が覚めて厠に行きました。すると、ウサギが居ないことに気付きました。「はて、どこへいったのやら。」探せども、ウサギは見つかりません。おじいさんは疲れて、地面に座り込み、空を見上げました。「質の悪いオオカミに喰われちまったか。」あきらめかけたその時、お月様をよく見ると、何やら、影が動いています。なんと、ウサギが臼でモチをついているではありませんか。「おお、そこにおったか。」おじいさんは安心して、寝床につきました。それからというもの、ウサギは帰ってくることはありませんでした。満月の次の日、お餅が届くことも二度とありませんでした。ところが、何故だか、おじいさんはすっかり元気になり、畑仕事をして、たくさんの食べ物に恵まれ、長生きしましたとさ。チャンチャン。」というハッピーエンドのお話で良いではありませんか。面白いかどうかは別にして、ですよ。おや?やればぼくでも物語が生まれるものですね。これはこれで新たな発見ということで、残しておきましょう。さて、古の人々は、空を見上げては、多くの知見を見出してきました。そのおかげで、様々な文明というか、学問に展開され、科学の基礎となり、現代の豊かな生活が生み出されました。月と地球の関係と言えば、万有引力が思い浮かびましたが、どうやったら、お互いが引っ張り合っている、という発想になったのでしょうね。僕だったら、ただ毎日、「おっ、今日もお月さんがきれいだな。」で終わってしまいます。なんなら、「あんな団子があったら美味しいだろうな。」なんて、食い意地の張った欲望を抱きそうです。そういえば、ワーキングホリディでオーストラリアにいる時、掃除の仕事を見つけて、雇っていだだいたのですが、メンバーに韓国人が何人かいて、そのうちの一人のニックネームが「Moon」でした。なかなか、思い切ったネーミングだな、と思いましたが、彼女はとても優しくて、真面目に働いていた印象です。ただ、昼間に会って挨拶をする時に「Hi,Moon.」と言う事に、多少違和感を覚えました。夜ならば、特に何も感じない、という訳でもないのですが。何でしょうね。自分でもよく判りません。彼女は、仕事中にイヤホンをして、音楽を聴きながら作業をしていましたが、時折、鼻歌が割と大きな声になっていたのが、面白かったです。「聞こえていますよ。」とは忠告しませんでしたが、月のように明るい性格の持ち主であることは確かです。元気にしているのでしょうか。時折、月を見上げて彼女の事を思い出す、という事はありませんが(あってもそんな事はここでは書きません)、そういう時の記憶に出会えるきっかけになるのが、素敵と言えるのかもしれません。
雲から目線