• 散歩

    樹上のネットワーク

    本日も続きまして、木登りのお話となります。場所はこちらもオーストラリアの南西部で、Tree Top Walk というアクティビティです。住所はValley of the Giants Rd, Tingledale WA 6333です。興味のある方は、地図アプリで検索してみてください。こちらもローカルなツアーでの参加となることでしょう。日本から、このためにわざわざ行く方は、非常にマニアックだと思われます。ジャイアントツリーというのでしょうか、その名の通り、50~60mの木々が群生しているエリアで、大きな家のように、屋根が延々と続いています。真夏も涼しいことでしょう。昨日の上空からの風景に移っている木々も、同じくジャイアントツリーの群生地です。名前を調べたら、アンシェントエンパイアと呼ばれ、ティングルの木だそうです。ふむふむ。

    幹ハウス(ジョークです)

    写真のように、根の部分が空洞になっているものもありました。人間がすっぽりと入れる大きさの空洞です。といっても、この写真ですと比較対象がないので、伝わりにくいですね。それでは、満を持して、奥様に登場していただきましょう。画像処理してあるので、見苦しい写真になっていることを先にお詫び申し上げます。
    大きな空洞と奥様

    別の木の幹の部分ですが、どうでしょう。奥様が手を伸ばして約2mとすれば、6mくらいの空洞になるのでしょうか。奥行きは広い部分で2㎡はありそうですね。まさに、「家」そのものです。天の恵みを、こうして知ることができるのですね。ツアーの目的とは異なりますが、自然に触れることで恩恵を知ることができる、というのは素晴らしいことです。当時は、それほど考えていませんでしたが、こうして振り返ってみると、多くの学びが写真に写っています。過去を振り返る事に消極的になる時もありますが、その振り返りによって、新たな「気付き」が生まれ、豊かな未来を創っていくのであれば、有益な回顧となり得るのですね。さて、なぜ奥様の御顔を、黄緑色で塗りつぶしたのかは僕の本意ではない、とだけ述べるに留めておきましょう。ツリートップウォークというアクティビティは、樹上に上るための通路が傾斜し、徐々に高度を上げていくように設営されているので、歩いて地上40mの高さまで登ります。次の写真が、その通路を撮影したものです。
    樹上のアーキテクチャ

    吊り橋ではなくて、支柱により、建っています。もちろん、木の支えもあります。木々にしてみれば、いい迷惑でしょうね。伸びたい方向に行けなくなりますからね。日照権で訴えられるのではないでしょうか。そんなことを言い出したら、このジャイアントツリーの根本で群生する植物は、皆、日照権を侵害されていることになりますか。それらは強かな生物ですよね。これだけのジャイアントツリーに栄養を奪われても、そこに根差すだけの根性を持っているのですから。この「根性」という言葉の語源は、案外、そんなところからきているのかな、と思い、調べてみると、仏教の「機根」という言葉と同様であり、宗教的素質・能力・性質、精神的素質を備える者をさすようです。僕のオリジナルの解釈と、さほど遠からず、と自賛しておきます。しかし、現代で用いられる意味合いは若干離れてしまったようで、もっと、褒め称える言葉として用いるべきですね。少なくとも、子供たちに対して、叱咤するために使うような言葉ではないようです。「根性を出せ!」というような鼓舞は、そもそも勘違いであり、備わっているかどうか、という問題が本質ですね。「なかなか見上げた根性だな」という使い方が本来ですか。地表に群生する植物たちは、まさに、このジャイアントツリーを見上げている、根性のあるものばかりです。素晴らしい。